御岳登山鉄道-基本のキホン


【全長】1.107km
【高低差】423.6m
【駅数】2(滝本駅、御岳山駅)
【所要時間】6分
【開業】1935(昭和10)年1月1日


ケーブルカーはその名のとおり、鋼索(ケーブル)で繋がれた車両を巻上機等で巻き上げて運転する鉄道です。 武蔵号(車体色:緑)と御嶽号(車体色:赤)は、1本のロープの両端に1両ずつつながっており、エンジンに当たる巻上装置を回転させると、一方が坂を上り、もう一方が坂を下るようにできています。

ケーブルカーってどのくらいの大きさ?


【寸法】全長12m・全幅2.9m・全高3.68m


京王線やJRなど、標準的な通勤電車は1両の長さが約20m。路面電車は13mほどで、御岳ケーブルカーの車両はそれよりも少しだけ小さいサイズです。一方、車体の幅は一般的な通勤電車とほぼ同じ。34人分ある座席はゆったりとしています。

ケーブルカーってどれくらい重いの?


【重量】9.8t


9.8tということは、体重60kgの人約160人分。とても重そうですが、普通の電車は1両約20〜30t、路面電車も18tくらいの重さがあります。エンジンやモーターを持たないケーブルカーは、実は鉄道車両としてはとても軽いのです。

車体角度は22度!

ケーブルカーの大きな特徴が、斜面に合わせて傾いた車体です。御岳登山鉄道の車体は、路線の平均勾配に合わせて設計されています。ちなみに御岳ケーブルカーの勾配は、いちばん急な区間で25度。スキー場なら上級者しか滑れないような急坂です。車内は、お客さんがひっくり返ってしまわないよう階段状になっています。

【豆コラム】

ほとんどの方が「22度ってすごいの?」と思われるでしょう。そこで、水平に撮影された滝本駅の写真を22度の角度で傾けたものをご覧ください。こうしてみると、けっこうすごいでしょう!


定員は115人

ケーブルカーの座席は全部で34席。立席も含めると、乗車定員は115人となっています。もっとも、本当に115人乗ってしまうと通勤ラッシュのように窮屈になるので、通常は余裕を持って100人程度を限度にしています。


パンタグラフについて

御岳ケーブルカーには架線があり、車両にはパンタグラフがついています。普通の電車は、ここから直流1500Vや交流2万Vといった高圧電流を取り入れ、モーターを回して走りますが、御岳ケーブルカーのパンタグラフは車両の照明や細かい機械のためのもの。家庭用コンセントと同じ、交流100Vの電気が流れています。パンタグラフは、最新のシングルアーム式で、2週間に1度、前後の位置を交換して使います。



車掌席について

ケーブルカーの運転は、御岳山駅にある運転室で行うので、車両に運転士は乗車していません。その代わり、安全監視や車窓案内を行う車掌が乗務しています。野生動物が線路に迷い込んできた際など、もしもの場合は車掌が車両を安全に停止させます。


●目次
●ケーブルカーの秘密
●安全運行の秘密
●運転・設備の秘密
●レールと車輪の秘密
●鉄道員の秘密
●ケーブルカー史料館
●小コラム「やっぱり鉄道の仲間!」
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